赤坂エクセルホテル東急 様

全客室へのギガビット環境と豊富な番組のVODサービスによる顧客サービスの向上を実現

赤坂エクセルホテル東急は、インターネット利用者の急増に伴い2006年10月、全客室へインターネット接続サービスを導入した。
導入にあたっては、システム全体の設計と導入を株式会社イメージスタジオ・イチマルキュウ（以下、イメージスタジオ109）が行い、配線工事やFXC製のネットワーク機器の設定などは、イメージスタジオ109と共に有限会社グレイズ・ジャパン（以下、グレイズ・ジャパン）が行った。
今回の全館への新システムの導入では、赤坂エクセルホテル東急側からの「高いセキュリティと充実した顧客サポートの両方が必須条件」（赤坂エクセルホテル東急 客室支配人 菊池 裕様）との要求を十分に満たしたシステムが実現されている。

新システム：高速インターネット接続＆109タイトルVODサービス

赤坂エクセルホテル東急では、2003年に電話回線を利用したVDSL方式のインターネット接続を一部の客室で開始した。しかし、客室を割り当てる手間や、対応客室が満室になる不都合が生じ、また、導入したシステムの不具合が多くサポートに手間がかかっていたことから、昨年後半よりシステムの入れ替えと全室ブロードバンド対応に向けた検討を開始した。
新システムの検討段階ではホテルでのシステム構築の経験が豊富なイメージスタジオ109と協議を重ね、最終的に全客室へのインターネット接続とVOD（ビデオオンデマンド）サービスの導入を決めた。
今回導入された新システムは、現時点では外部への回線の関係で最大100Mbpsのサービスになっているが、館内設備はFXC製のネットワーク機器をはじめとしてすべてギガビットに対応しており、今後、1Gbpsまでの容易な拡張が可能となっている。
また、インターネットに加え、有料テレビに代わるネットワークを利用したVODサービスを同時に導入しており、宿泊客が人気の映画やミュージックビデオ、アニメ、環境映像(BGV)など計109番組の中から、好きな時に好きな番組を見ることができるサービスを実現している。
なお、宿泊客はインターネット接続サービスを無料で利用でき、VODも1泊ごとの定額制ですべての番組が見放題となっている。

2系統のネットワークによるメンテナンス性の向上

イメージスタジオ109では今回、障害対策として全客室にインターネット回線とVODが完全に分離された2本のネットワークの配線を行った。これにより、仮に不具合が生じた場合でも、もう一方のサービスは影響を受けずにサービスを継続でき、さらに完全に切り分けてあることにより障害箇所の発見、復旧にかかる時間が削減できるようにした。
また、新システムの導入とあわせ、イメージスタジオ109では24時間365日のサポートデスクの開設を行い、ホテルに設置された機器の保守に限らず、宿泊客の持ち込んだPCの設定のサポート対応を行うことができる体制を取り、日本語/英語の二ヶ国語による宿泊客への電話によるサポートを実現している。さらに、サポートデスクからはホテル内に設置されたネットワーク機器の遠隔監視ができるため、問題点を的確に把握し宿泊客に対するサポートや必要に応じた機器の設定や修理などの迅速な対応により、宿泊客へのサービスの向上に努めている。

宿泊客の安全性を高めるセキュリティ対策

昨今、インターネットセキュリティの重要性が増しており、今回の新システムの構築にあたってもセキュリティ対策の重要性が赤坂エクセルホテル東急、イメージスタジオ109、グレイズ・ジャパンの3社共通の認識であった。
そこで、今回、ゲートウェイサーバとしてファイアウォール機能を備えたIP3 Network社のNetAccessゲートウェイ「NA500」を導入した。NA500はファイアウォール機能により外部からの不正アクセスを防ぐ他、FXC製スイッチを連携させることで各客室のネットワーク
利用状況のログを収集でき、客室単位のセキュリティ対策も万全である。
なお、新システムは、ビジネス客からニーズが多いVPNの利用も可能となっている。

豊富な経験を活かして短期間での施工を実現

通常、既設ホテルでは、既存配管への新規の配線が難しいため、新たに配線を行う場合には大掛かりな工事が必要なことが多く、今回も他社の事前調査では大規模な工事が必要との結果により、工事による騒音や工期延長など宿泊客へのサービスへの大きな影響も避けられない状況であった。しかし、今回の配線工事とFXC製ネットワーク機器の導入を行ったグレイズ・ジャパンでは、これまでの15年以上に
わたるホテルでの施工経験を元に最低限の工事に留める計画を立てることができたため、ホテルのサービスや宿泊客への影響を最小限に抑えることが可能となった。
イメージスタジオ109は、これまでもグレイズ・ジャパンと共にホテルへのシステムの導入を行っており、「グレイズ・ジャパンはホテル関係のシステムの豊富な経験があり、これまでも一緒に仕事をしたこともあったことから今回の案件でも安心して仕事ができた。」（イメージスタジオ109　CCTV事業部 マネジャー 山本 大様）と、グレイズ・ジャパンの長年の経験に基づく活躍に高い評価をしている。

ネットワーク構成図

FXC製品の採用

グレイズ・ジャパンでは、数年前からホテル内のネットワーク工事の需要が増えたため、自社で取り扱うネットワーク機器の選定を行い、その際に、FXCのエンジニアによるトレーニングを受けた。その結果、「エンジニアによる技術サポート体制がしっかりしていた」（グレイズ・ジャパン 福島 厳龍様）とFXC製品の取り扱いを開始し、これまでにも多くのホテル案件への導入を行っている。
「（従来導入した案件でも）導入した後に不具合はほとんど起きておらず、今回の導入でも問い合わせに対してFXCのエンジニアからの適切なサポートを受けられた」（福島様）と、運用後の不具合の少なさや技術サポートに満足されており、また、「他社と比べてもコストパフォーマンスに優れている」（グレイズ・ジャパン 代表取締役 鈴木 雅晴様）と、品質やサポートに加えてコストパフォーマンスにも評価も導入の決め手となっている。