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構成

IS-IS(IPv4)再配布

シナリオ

■IS-IS
IS-IS(Intermediate System to Intermediate System)は、リンクステート型ダイナミックルーティングプロトコルです。
IPv4、IPv6の両方に対応しており、1つのプロトコルインスタンスでそれらを並行運用することが可能です。
IS-ISはOSI 環境で動作するために開発された経緯から、NSAPアドレスと呼ばれる可変長の識別子を利用してルーティングを行います。
NSAPアドレスのうち、NSEL (NSAP Selector) フィールドを 0x00 に設定したものをNET (Network Entity Title) と呼びます。

NSAPアドレス形式:49.aaaa.xxxx.yyyy.zzzz.00

エリアID
49・・・AFIと呼ばれるエリア識別子。プライベートの場合は49を使用します。
a  ・・・ドメイン識別子。エリア内で共通の任意の値を使用できます。

システムID
x.y.z・・・デバイス識別子。任意の値を使用可能。

NSEL
00・・・デバイス自体を表すフィールド。0x00固定で設定する。

■再配布
学習した経路情報を異なるルーティングプロトコル(スタティックも含む)へアドバタイズすることを再配布(再配送)と呼びます。
経路情報の再配布を設定することで異なるプロトコルのネットワーク間で通信が可能となります。

本設定事例では、FXC9432及び、FXCX9526Fを用いたIS-ISルーティング環境を構築する設定について解説します。
以下のシナリオを前提として設定を行います。

・IPv4アドレスを用いたルーティング環境を構築する。
・同一エリア内の経路情報をアドバタイズし、相互通信を可能にする。
・異なるエリア内の経路情報をアドバタイズし、相互通信を可能にする。
・L3SW#3に接続されたOSPFネットワーク[192.168.30.0/24]をIS-IS エリア1ネットワークに再配布(再配送)する。

設定例

■再配布
L3SW#3に接続されたOSPFネットワーク[192.168.30.0/24]をIS-IS エリア1ネットワークに再配布する場合は、
以下の設定例を参考に設定を行ってください。

IS-ISからの再配布

モード コマンド コメント
L3SW#3(config)# router ospf 1
L3SW#3(config-router)# redistribute isis level-2 IS-ISの経路情報を再配布するように設定

OSPFからの再配布

モード コマンド コメント
L3SW#3(config)# router isis
L3SW#3(config-router)# redistribute ospf 1 metric-type external OSPFの経路を外部ネットワークとして再配布するように設定

L3SW#1

モード コマンド コメント
L3SW#1(config)# router isis IS-ISを有効化
L3SW#1(config-router)# net 49.0001.0000.0000.1111.00 NSAPアドレスを定義
L3SW#1(config-router)# exit
L3SW#1(config)# interface GigabitEthernet 0/1
L3SW#1(config-if)# no switchport Routed-portに設定
L3SW#1(config-if)# ip address 192.168.10.1 255.255.255.0 IPアドレスを設定
L3SW#1(config-if)# ip router isis インターフェースでIS-ISを有効化
L3SW#1(config-if)# exit
L3SW#1(config)# interface tenGigabitEthernet 0/32
L3SW#1(config-if)# no switchport Routed-portに設定
L3SW#1(config-if)# ip address 192.168.1.1 255.255.255.0 IPアドレスを設定
L3SW#1(config-if)# ip router isis インターフェースでIS-ISを有効化
L3SW#1(config-if)# exit

L3SW#2

モード コマンド コメント
L3SW#2(config)# router isis IS-ISを有効化
L3SW#2(config-router)# net 49.0001.0000.0000.2222.00 NSAPアドレスを定義
L3SW#2(config-router)# exit
L3SW#2(config)# interface TenGigabitEthernet 0/1
L3SW#2(config-if)# no switchport Routed-portに設定
L3SW#2(config-if)# ip address 192.168.1.2 255.255.255.0 IPアドレスを設定
L3SW#2(config-if)# ip router isis インターフェースでIS-ISを有効化
L3SW#2(config-if)# exit
L3SW#2(config)# interface TenGigabitEthernet 0/2
L3SW#2(config-if)# no switchport Routed-portに設定
L3SW#2(config-if)# ip address 192.168.2.1 255.255.255.0 IPアドレスを設定
L3SW#2(config-if)# ip router isis インターフェースでIS-ISを有効化
L3SW#3(config-if)# isis circuit-type level-2-only IS-ISでのエリア間のルーティングを有効化
L3SW#2(config-if)# exit
L3SW#2(config)# interface TenGigabitEthernet 0/3
L3SW#2(config-if)# no switchport Routed-portに設定
L3SW#2(config-if)# ip address 192.168.20.1 255.255.255.0 IPアドレスを設定
L3SW#2(config-if)# ip router isis インターフェースでIS-ISを有効化
L3SW#2(config-if)# exit

L3SW#3

モード コマンド コメント
L3SW#3(config)# router isis IS-ISを有効化
L3SW#3(config-router)# net 49.0002.0000.0000.3333.00 NSAPアドレスを定義
L3SW#3(config-router)# redistribute ospf 1 metric-type external OSPFの経路を外部ネットワークとして再配布するように設定
L3SW#3(config-router)# exit
L3SW#3(config)# router ospf 1 OSPFを有効化
L3SW#3(config-router)# network 192.168.30.0 0.0.0.255 area 2 192.168.30.0のネットワークをプロセスに追加
L3SW#3(config-router)# redistribute isis level-2 IS-ISの経路情報を再配布するように設定
L3SW#3(config-router)# exit
L3SW#3(config)# interface TenGigabitEthernet 0/1
L3SW#3(config-if)# no switchport Routed-portに設定
L3SW#3(config-if)# ip address 192.168.2.2 255.255.255.0 IPアドレスを設定
L3SW#3(config-if)# ip router isis インターフェースでIS-ISを有効化
L3SW#3(config-if)# isis circuit-type level-2-only IS-ISでのエリア間のルーティングを有効化
L3SW#3(config-if)# exit
L3SW#3(config)# interface TenGigabitEthernet 0/2
L3SW#3(config-if)# no switchport Routed-portに設定
L3SW#3(config-if)# ip address 192.168.30.1 255.255.255.0 IPアドレスを設定
L3SW#3(config-if)# exit

関連コマンド

show isis database
show isis neighbors
show isis protocol
show isis interface
show isis iptopology
show ip route