Q in Q 次項 » « 前項
« « FXC5200シリーズ目次


構成


Q-in-Q(IEEE802.1ad)

シナリオ

Q-in-Q(IEEE802.1ad)は、一つのイーサネットフレームに2重のVLANタグを挿入することで、広域ネットワークを経由してVLANを使用可能にするネットワーク技術です。

 FXC5200seriesでは、カスタマーから受信したタグ付きフレームの外側にタグ(S-tag)を付加し、Q-in-Qを実現しています。
 二つのタグのうち、外側(ヘッダ内の先頭側)のタグを「サービスタグ」(S-Tag)、内側(二番目)のタグを「カスタマ
 ータグ」(C-Tag)と呼びます。
 サービスタグ(S-tag(TPID:0x88a8))が付加されたVLANをServiceVLAN、カスタマータグ(C-tag(TPID:0x8100))が付加された
 VLANをCustomerVLANと呼びます。

  各カスタマー同士を通信する設定事例の通信要件は以下を前提としています。
   カスタマー#1:ServiceVLAN1001 接続ポート:#1 カスタマー間の通信不可
   カスタマー#2:ServiceVLAN1002 接続ポート:#2 カスタマー間の通信不可
   カスタマー#3:ServiceVLAN1003 接続ポート:#3 カスタマー間の通信不可
   Q-in-Qポート:各カスタマーVLANにS-tagを付けて送信 接続ポート:#9

設定例

本設定事例では、両機器とも同一の設定を行います。

VLAN定義

コマンド コメント
(config)# vlan database VLANデータベースへ移行
(config-vlan)# vlan 1001 VLANを定義(カスタマー#1)
(config-vlan)# vlan 1002 VLANを定義(カスタマー#2)
(config-vlan)# vlan 1003 VLANを定義(カスタマー#3)

カスタマーポート設定

コマンド コメント
(config)# interface ethernet 1/1 カスタマー#1接続ポートの設定
(config-if)# switchport native vlan 1001
(config-if)# switchport allowed vlan remove 1
(config-if)# switchport allowed vlan add 1001
(config-if)# exit  
(config)# interface ethernet 1/2 カスタマー#2接続ポートの設定
(config-if)# switchport native vlan 1002
(config-if)# switchport allowed vlan remove 1
(config-if)# switchport allowed vlan add 1002
(config-if)# exit  
(config)# interface ethernet 1/3 カスタマー#3接続ポートの設定
(config-if)# switchport native vlan 1003
(config-if)# switchport allowed vlan remove 1
(config-if)# switchport allowed vlan add 1003
(config-if)# exit  

サービスポートの設定

コマンド コメント
(config)# interface ethernet 1/9  
(config-if)# switchport mode s-port ポートタイプをS-port(802.1adモード)に設定します。
(config-if)# switchport allowed vlan add 1001 ServiceVLAN(カスタマー#1向け)のアサイン追加
(config-if)# switchport allowed vlan add 1002 ServiceVLAN(カスタマー#2向け)のアサイン追加
(config-if)# switchport allowed vlan add 1003 ServiceVLAN(カスタマー#3向け)のアサイン追加

関連コマンド

  • show vlan
  • show interface switchport
  • show interface switchport status
  • show running-config

その他、備考

補足/注意
 カスタマー接続ポートは、Unawareポートに接続します。また、このモードはデフォルトの為、表示されません。
  受信したフレームにC-tagがある場合でも、そのC-tagは、ペイロード(データの部分)として扱われます。
  
 private-vlan 1を変更/削除すると同一Private-vlanID以外のポートと通信できなくなります。
 通信させる場合には、必ず、同じPrivate-vlanIDを設定してください。

オプションコマンド
 ・ポートからの送信時、NativeVLANを含めた全てのVLANにTagを付ける方法。
  ポートに「switchport tx_tag tag_all」コマンドが必要になります。
   interface ethernet
    switchport tx_tag tag_all

 ・TPIDをカスタム(変更)する方法。
  下記例は、TPIDを「0x8F8C」に変更する例です。
   VLANデータベースでカスタムTPIDを定義し、
    vlan database
     vlan etypecustomsport 0x8F8C
  ポートモードを「s-custom-port」に設定してください。
   interface ethernet
    switchport mode s-custom-port